名古屋~高山~富山と中部をぐるりと周り、4日間かけていよいよ長野入り。長野で最終目的地として向かった先は、善光寺でもアルプスでもなく、戸倉上山田温泉という温泉街。あまりご存知でない人の方が多いかと思われるので一応説明すると、戸倉上山田温泉とは戸倉温泉と上山田温泉というふたつの街の総称で、千曲川という結構大きな川のそばにひっそりと佇んでいる、平成の現在ではもはやなかなか見られない絶滅危惧種に指定したくなるほどしなびた温泉街です。温泉といっても特に有名な湯があるわけでもなく、むしろ信州最大(?)の廃墟があることの方で名を馳せているのかもしれない。実際ネットをあたると、街全体を見下ろす感じでそびえ立つ巨大廃墟(下写真2枚目)を目当てに訪れる廃墟マニアも多いそうで、元はホテルだったらしいがここまで原型を留めずに崩れているとそれはそれでなかなか味わい深いものがある……気もする。
あれ、今は昭和だったっけ、と一瞬錯覚させてくれる街並み。21世紀でも変わらない街の姿がここにある。
「無断侵入禁止 金一万円徴収」の文字が踊る。いったい誰が徴収するのか無断侵入して確かめてみたい気も
ただ、廃墟よりさらにこの温泉街の名を全国(の一部の人)に轟かせているのは、韓国、中国、タイ人などで構成されているアングラ風俗街だそうな。街の中心地を歩いてみると、確かに細い路地に無数のパブやらなんやらがあり、夜はやる気のあまりない客引きの方々がそこいらを闊歩している光景が見れます。ただ、自分の行った時はお盆シーズンだったためか客はほとんど歩いておらず閑散としていて、噂に聞いていたような賑わいはあまり見られなかった。自分はそこいらをぶらぶら歩いて、射的やって盆踊りに参加して、適当に目についた客のまったくいないタイスナックで焼酎飲んでカオマンガイ食べて帰りました。自分は都築響一がブログで薦めていたのを読んで興味が湧いて来てしまったわけだが、確かにここまで寂れた温泉街もそうそうないと思われる。また行きたいかと問われると数秒考えてしまいそうだが、雰囲気は熱海より萎びていて歩いているだけでも面白いし、射的なんかも楽しめるので、来し方行く末を考えたくなったら湯治の選択肢として考えないこともないこともないかなと思わないこともないこともないと思うので、興味を持たれた方はいっぺん来てみるのもいいと思います。責任は一切持ちませんが。
中部編もあと1回で終わりますよ。
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